「尺皮診」であなたのカラダを診ていきましょう
今月の養生ヨガは 「自分のカラダ」をじっくり観察してます。
お腹、お顔、肌、舌 よく見ると👀 そこにはあなたの体質や気質 そして、今のカラダの状態が現れてます。
養生とは、 病気にならないように心がけること、まずは自分を知ることから始まります。
さぁ一緒に、自分を隅々まで観察して行きましょう〜
『皮膚は内臓の鏡』と言われるように、 中医学では皮膚は内臓と密接な関係を持つとされます。
私たちの体の中の状態は、体の表面に現れ、常に私たちにサインを送ってます。
普段お顔以外はあまり気にしてない「肌の状態」ですが、その張りや色、キメの細かさ、汗の状態などから、今の内臓の調子がわかります。また、アレルギーや湿疹などの皮膚疾患の原因は内臓の機能が低下していたり、もともとの体質によって引き起こされます。
今日は、
一緒に肌の状態を観察していきましょう!
尺皮診(しゃくひしん)て何?
前腕内側の手首から肘のシワの部分を尺膚(しゃくひ)と呼びます。
ここは外界からの影響を受けにくい場所とされ、この部分の皮膚や筋、肌肉を触って観察することでカラダの状態を診ていきます。
(インドで過ごす私の尺膚は、かなり陽に焼けて真っ黒ですが。。。)
ではさっそく一緒に診てきましょう〜 (今回の手書きも力作です!)
尺膚診のすすめ方
尺膚(しゃくひ)を、軽く触れるか触れないかの部分を切診し、肌の弾力、温度、汗腺の開閉、色艶などをみていきます。
1.肝(急)
手関節の腱の部位の筋(スジ)の状態をみていきましょう。
「肝は筋を主る」とされ、これが病むと、手首の関節の硬さ、コワバリとして現れます。
2.脾(緩)
前腕内側の肌の栄養状態を見ていきましょう。
「脾は肌肉を主る」とされ、これが病むと、飲食した栄養を全身に届けることが出来ず、肌にハリがなく、肉が痩せた、弱々しい状態になります。
3.肺(燥)
前腕内側の皮膚の状態(乾燥)を見ていきましょう。
「肺は皮を主る」とされ、肺が弱ると皮膚は白っぽく乾いてツヤがなく、体毛は弱々しい状態になります。
次に
肌の温度を診ていきます。
4.心(熱)
前腕全体の肌の色、温度(熱感)を見ていきましょう。
「心は血を主る」とされ、これが病むと、肌の血色(赤色)、熱感として現れます。
4.腎(寒)
手首の骨の状態、また、前腕内側の皮膚表面の温度(寒熱)を見ていきましょう。
「腎は骨を主る」とされ、骨が細く軽すぎる状態は腎の虚弱を表します。
また、「腎は汗孔の開閉を主る」ともされ、体温の調節をしてます。「腎」が病むと、汗孔の開閉の力が弱まり「冷や汗」をかきやすくなり、身体が暖まらずに「ヒンヤリ」した状態となり、カラダが冷えます。
皮膚と
風邪(ふうじゃ)と 五行(内臓)の関係
肌の状態は、体調の変化と共に下記のように現れる。
心(熱)熱を持ってる
肝(急)張っている
脾(緩)緩んでいる
肺(燥)乾燥している
腎(寒)冷えている
また、中医学では風邪(ふうじゃ)は皮膚から入り込むとされ、その皮膚の表面で風邪の進行状態が変化していきます。
これを、五行=自然の摂理に当てはめ見ていきましょう。
肺(燥)
風邪の引き始め「寒いっ風邪を引きそう!」という状態
鳥肌がたったり、身震いしたり肌で、その風邪の引き始めを感じます。
肌の状態→皮膚の色は白っぽく乾いた感じで如何にも寒々としている。
臓の状態→肺の弱り、免疫力の低下
腎(寒)
暖かい飲み物や食事をし十分に暖房が効いた部屋にくつろいだのに、
「寒気」を強く感じて、体の重だるさ、下半身から背中にかけて強く冷えを感じる状態。
肌の状態→皮膚の色は黒っぽく、じんわり冷汗が湧き、冷たく寒々しい感じ。
臓の状態→腎の弱り、生殖・泌尿器系の機能低下(息切れ、むくみ)
肝(急)
さらに体温が低下し悪寒が進むと、体の節々に痛みが出てきて、
特に上半身、首筋から肩へかけて凝りを強く感じてる状態。
体を緊張させることで、体表から熱を外に逃さないようにしている。
肌の状態→全身の筋がこわばった様子
臓の状態→肝の弱り、血行不良(肩こり、頭痛、目の充血)、自律神経のバランスの崩れ
心(熱)
さらに進んでくると「悪寒」が強くなり「戦慄」と「発熱」が始まる。
この段階になると、「頭痛」や「節々の痛み」を強く自覚し、体温の上昇が実際に始まっている。
肌の状態→肌の色が赤黄色味の状態
臓の状態→心の弱り、循環器系の乱れ(動悸、脈)、神経系の乱れ(意識朦朧)
脾(緩)
「発汗」が始まれば、次第に「コワバリが急速に消退して行き、汗が出て熱が下がり、カラダが[ユルム]・[ノビヤカ]になって楽になった」と言う状態
肌の状態→緩んで柔らかい状態
臓の状態→脾の弱り、消化器系の機能低下(消化不良、下痢)
このように、病態の変化・生理的状況の変化に応じて、「尺皮(尺膚)」の状態=肌の状態も刻々に変化して行きます。そこには「病態にとって主な役割を担っている五臓の役割の転換の様子」が明らかに示されてます。
これは、
私たちが自然の摂理に沿って生きており、「風邪を引くこと、そして、それが進行し完治していくこと」もその自然の摂理の一つであると理解できます。
中医学では、風邪を無理に抑えようとはせず、未然に防ぐという考え方で対処します。
乾燥を防ぎ、 肺を養生することで、まずは風邪がカラダに入るのを防ぎます。
↓ カラダを温め、 腎を養生することで、悪寒の進行を抑えます。
↓ 筋を柔らかく、 保つことで、肝を養生することで、適度にカラダの熱を放出させ急な発熱を防ぐます。
↓ カラダを冷やし、
水分を取り余計な水分を外に出すことで、心を養生し、熱をカラダの外へ放出していきます。
↓ カラダを緩ませ、 胃を養生することで、消化機能を復活させ弱ったカラダに栄養を滋養していきます。
如何でしたか、
あなたの身体の状態は肌に現れ、肌が何を求めているかを見ることで「未病」の対策ができます。
今日のヨガは、
五臓にアプローチする5つポーズを紹介します。今の自分のカラダの症状にあったポーズを確認していきましょう。
養生ヨガとは
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